今日、スーパーに行き、ちょっと気になる場面を見た。
シマホッケの開きを買った爺さんが会計で数円足りず、「いつも来ているんだからなんとかならないか」とゴネていた。
レジの店員が「仕方ねえな」といえる権限がある筈もなく、駆けつけた微笑を浮かべたマネジャーらしき人物に、ドナドナよろしく、どこかへ連れて行かれていた。手に持ったシマホッケとともに。
窃盗・万引きといった犯罪行為ではなく、常連なのだから数円の融通は聞かせてほしいというカスタマー(爺さん)の要望に、店側が取った対応とは、そしてそもそも、何故そのような要望が生まれうる背景、心理、構造があるのか。ちょっと考えてみた。
- 店側の取った対応
まずドナドナよろしくどこかへ連れて行くという対応について、爺さんの言う真偽不明の「常連」という前提を考えた時に、その後マネジャー、店側が取る対応は必ずしも”軟禁・監禁、しかる後にまあまあのリンチ・拷問、溜飲を十分に下げて、しかる後に警察機関に通報し放逐する”という手段を取るとは考えられないことはお分かりだろう。
まずどこか(というか、バックヤード、事務所)に連れていくということが何を意味するか、これ自体は構造でもなんでもないが、普通に考えて「まず他の客に見せない」ということの表れだと見る。では何故他の客に見せないのか、それは”軟禁・監禁、しかる後にまあまあのリンチ・拷問、溜飲を十分に下げて~”ということではなく、「原理原則、道理の説明」もあるだろうし、その”常連”具合によっては、「今回だけですよ」とこっそりマネジャーなり店側が忖度し、超法規的措置を取る為であるかもしれない。
犯罪行為でなし、そして本当に常連だったなら、十分に考えられる対応と思う。そして”前例”としないために、他の客から目を遠ざけた可能性もある。
- 爺さん(客)の心理
爺さん(客)の心理について。これは簡単で、認知機能の低下。というのは冗談として、揉めだしてマネジャーが駆けつけるまでのタイムラグの間、聞き耳を立てているとどうも爺さんは税抜き価格を税込み価格と勘違いしていたようなことも少し聞こえた。「それが認知機能の低下そのものじゃないか!」と言われれば当たらずとも遠からずなのだが、まずちょっとした誤認があったという可能性は高い。
さあそこからが大変で、普通は「いやそれ税抜き価格っす」と言われて支払いをするしかないところを、差額が少額であったこともあり、気恥ずかしさもあり、誤った瞬時の判断で、いきなり奥の手である「常連の威光」を振りかざす方向に爺さんは向かってしまったものと私は考察する。そして、奥の手は往々にして、もう一度出してしまえば出したり引っ込めたり出来ない性質のものであり、国家間の紛争・戦争におけるエスカレーションと比べればスケール、レベルは極めて低いと言わざるを得ないが、”もうどうにも引っ込みがつかない”状態になったものと思う。途中で”まずいな、劣勢だ”と思ってももう引けない、引いてしまったら言っていることが無茶苦茶になってしまう、自我が崩壊しそう、と思ったか思っていないかは知る由もないが、強ち外してもいないだろう。
- 結論
いろんな前提(例えば本当にその爺さんが常連であるか等)によって不確実性は増し、断定はもちろんできないものの、こうした心理、構造によってこの件は起こってしまったというのが最も自然な見方だろうと私は思う。
そうして、これも断定はできないものの、恐らくはその爺さんは何円かまけてもらって、今日シマホッケを焼いて食っているものと思われる。もしそれが焼きではなく、ムニエルとかいう一手間かけたものであったとしても、それはこの件の本質ではない。
枝葉はどうあれ、本質は、「ルールvs関係性」、どうやらこれには間違いないようだ。

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